本物件は金城重機ヤードを使用した杭工事の試験施工で打設した杭を撤去する工事です。最新の杭のために、施工実績としては珍しい大型既製杭の引抜工事となりました。当研究会の現場見学会及び工法協議会も開催しながら、複数の杭引抜工法による研究と実験を兼ねた施工となりました。 現場地層はGL-8〜9m程度までが平均N値15ほどの粘性土、GL-9m以深よりN値50以上の支持層島尻泥岩となっています。実験工事という現場性質上支持層への杭の貫入が約20m貫入している杭が一部ありました。 当初現場の施工方針としてはオールケーシング工法にてФ1500ケーシングで先行掘削、チゼルでの破砕・競り矢でのねじ切りを交互に繰り返しながら杭の撤去工事を施工する予定でしたが、進捗が悪く施工日数の遅れが目立つようになり、当研究会の現場見学会にて会員各社と効果的な工法についての協議を行い、オーガーケーシング工法での施工を併用することとしました。オーガーケーシング工法では平均2.5日〜3日程度で引き抜きでした。オールケーシング工法では掘削が平均4〜5日程度だったので杭に1本あたりの引抜が約2日ほど短縮された結果となりました。同じ条件での現場施工にて工法比較が可能となった為に、各工法の長所と短所が理解でき今後の施工に参考になった現場でした。